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「痕、薄くなってる」
のんと唯くん、互いに付けられたその痕に、またちゅうっと強く吸い付き「ん、いいかんじ」と満足そうに見やる。
私からは見えないけれど、きっとまた鮮やかにそれが付けられたのだろう。
その唇が上に這っていき、左耳をぱくっと咥えた。
「ふぁ、っ」
体が一瞬、ぞく、っと震える。
咥えられながら、その口内で舌がねっとりと這い出した。
「ぁあっ、」
耳の中を、熱と潤いを帯びた生々しい舌で愛撫される感触に、今まで知らなかった感覚が、突如襲う。
「ここは?のんに、されたことある?」
だからそんなの、あるわけ、ない。
今度は後頭部を支えられていて首を容易に動かせなくて、弱く頭をふるふると振った。
「へえ、そっか」
またしても嬉しそうにそのまま耳元で囁かれる。
「どう、気持ちいい?」
「やっ……」
恥ずかしさに、視線を逸らす。
けれど、これがそういう感覚なのだろう。
「ねえ、きぃ?」
返事を促す唯くんの声に、こくんと小さく頷いた。
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