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「───やっべ、」
唯くんが、ゆっくりと体を起こし、離れた。
「ごめん、、きぃ大丈夫?」
大丈夫?大丈夫じゃない?
よく、わからない。この状態がどっちなのか。
呆然とし、ソファに仰向けのまま、力が抜け動くことが出来ない。
唯くんが黙ってずらした下着を直し、シャツもお腹を隠すように元に戻してくれた。
そして私の髪を優しく撫でながら、柔らかい眼差しで見下ろす。
「きぃ可愛い過ぎんだもん。止まんなくなりそうだった。ごめんな」
正直、ホッとしてしまう自分がいる。
止めてもらえなかったら、もうどうしていいか本当にわからなかった。
あんな、、体が熱を帯びて、恥ずかしい声を零して、自分が自分じゃないみたいで。
「体、起こせる?」
唯くんに背中を抱えられて、上半身を起こした。
そして、至近距離でまた見つめ合う。
数秒ののち、思わず視線を逸らそうと俯きかけた顔を、唯くんの左手でくいっと持ち上げられた。
また、視線が重なる。
ゆっくりと、瞼を閉じながらその綺麗な顔が傾きながら近付き、唇が触れた。
数秒触れただけで、離れていく。
「───続きは、夜な」
「っ、え……!?」
「大丈夫、きぃちゃん頑張り屋さんだから」
ニヤ、とほくそ笑むその様子は、もういつもの唯くんで。
「え、意味わかんないっ、」
「わかんなくていーよ、俺が教えるから」
そしてクスクスと笑われる。
もうそれ以上、発する言葉を思いつかず、真っ赤になってただふるふると震えていた。
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