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気が付くと日も陰ってきて。
「あ、お夕飯!私、近くのスーパーにお買い物に行ってくるね」
「一緒に行くよ」
立ち上がる唯くんを制止した。
「何作るか、内緒にしたいから。一人で行ってくる」
「え、、荷物大丈夫?重くない?」
「うん、平気」
「そう?途中、重かったら連絡して。すぐ行くから」
ほんと唯くんてば優しい……
つい、ほわんと唯くんを見つめる。
唯くんはそんな私に数回目をパチ、パチ、とさせ、口元に手を当て顔を若干背けた。
「やっば、」
今日はbakuさんに始まり、何度もヤバいを連発されている。
「ご、ごめんね?」
困って謝ると、「謝っちゃ駄目。余計ヤバい」と、ついには後ろを向かれてしまう。
そして「いってらっしゃい、」と手をひらひらとされた。
「い、行ってきます」
何故か恥ずかしくなって、吃ってしまう。
顔の火照りを感じながら玄関で靴を履いていると、「そうだ、きぃ」と呼び止められる。
「これ、スーパーのポイントカード。
いくらか貯まってると思うから、支払いの足しにして」
ポイントカードを手渡された。
お金だったら、絶対断るところなんだけど。
貯まっているポイントなんて、せいぜい消費税くらいだろうな、という安易な気持ちで「うん、じゃあ使わせてもらうね」と受け取った。
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