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結局大きな袋2つ分になり、苦笑い。
「よし、」と持ち上げたところで
「あっれえええ、きぃちゃんじゃん」
背後からの煩……じゃなく、よく通る声に振り向いた。
「bakuさん」
綺麗な女の人と一緒だった。bakuさんも夕飯の買い物かな。
「すげえ量じゃん。唯は?」
「あ、えと一人で来て」
「いーよ、アパートまで持ってやんよ」
「え、でも、」
隣の女の人が、あからさまに眉を顰めている。
「あー、こっちは酒買いに来ただけだから。
買って先戻ってろ」
bakuさんがお財布から一万円札を差し出し、不服そうにそれを黙って受け取った女の人は、私を一度睨み、お酒のコーナーへ向かって行った。
「あの私、大丈夫ですから」
「いーから、いーから。つーかさ、何今日。何、俺のことボコしてんの」
2つの袋をひょい、と取り上げ、歩き始めてしまう。慌てて着いて行き、結局一緒に店を出た。
「す、すみませんでした。あの、成り行きで」
ボコしたことを謝る。
「唯がアドバイスしたんだろ」
「え、わかるんですか」
「俺の数少ない弱点しつこく突いて来てたしな。すげーームカついたわ。仲間よりオンナかよ、って」
歩きながら私を見下ろし、口ではそんなことを言いながらニカっと白い歯を見せて笑う。
背はだいぶ高そうだ。180は余裕で超えてそう。
唯くんとは真逆の、かなり短めの金髪。
肌の色も、元からなのか日焼けなのか、浅黒い。
ピアスがずらっと付いてて、こういう色気を出す人は初めてかも。
厳ついイメージだけど、唯くんやのんとはまた異なるタイプのイケメンさんだなあと観察した。
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