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座りこんで暫し放心状態でいたところを
「きぃ?ハハ、なに。はあああ!!てなる要素さっきあったっけ」
エプロンを外し、手を洗って来たのであろう唯くんがドア越しに声を掛けてきて、覚醒する。
要素、あったでしょ!?もう無自覚なんだから…!
「ホラ、いつまでもそこ居ないで、こっち来いよ。匂いつくぞ」
腕を引かれ、起こしてもらった。
手を洗ったと思われるハンドソープの香りが仄かに漂う。
唯くんは全てが色気に変換されてしまうから、厄介だ。
「あーー、で、空河が荷物運んでくれたって?」
「そうなの。たまたまスーパーで会ってね。
綺麗な女の人と一緒だったのに、申し訳なかったと思って」
「葉月さんだな。近くのマンションで同棲してんだよ。気にしなくてへーき」
そうかな。結構、あからさまに睨まれたけど。
あ…そうだ。
思わず、首筋に手を当てる。
「どうかした?」
「あーーえっと、」
ああ、、なんて言えばいいんだろう。
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