539人が本棚に入れています
本棚に追加
その様子から、唯くんは何のことだかわかっているようだ。
「でね、私それがなんだかわかってなくて」
「…だろうね」
まだ唯くんは、こっちを見ない。
「唯くんに、どうやるのか教えてもらえって」
「っは、」
「それで、俺とも今度しようなーー、って」
「ざけんな、マジ殺す」
「何のことなのかな。ゲームの、何か?
私に出来ることならやるけど」
「…いや、、いい、」
「唯くんもしかして、、めちゃめちゃ動揺してない?」
だって様子がすっごくヘンだもん。
「なんつーーか、、色々ごちゃごちゃ考えちまうきぃの気持ち、ちょっとわかった気する」
「そう?え、ボコさなくていいの?ぱんぱんは?」
「きぃ、もうそれ言うの禁止。だめ。わかった?」
え、ぱんぱんが?
「うん…?わかった」
「そのうち、教えるから」
「今日じゃなくて?」
「…きぃ、自分でナニ言ってるかわかってる?」
唯くんが、膝を抱えて座りこんでしまった。
顔を膝に埋めているから、どんな表情をしているのかわからない。
「───夜、時間たっぷりあるから。
様子見で、、教えられたら教える、かも」
顔を伏せたままの唯くんの声がくぐもって聞こえる。
「? うん、わかった。でも私、ちゃんと出来るかなあ?」
唯くんがこんなに動揺してるって珍しい。
それって難易度高めってことだよね。
けれど唯くんは、それ以上返事を返してはくれなかった。
最初のコメントを投稿しよう!