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メニューは、悩んだけれど和食中心にした。
その方が唯くん好みの、小洒落た感じに出来そうだったから。
彩りの綺麗な手毬寿司とはまぐりのお吸物。
つけ合わせで、ほうれん草の胡麻和え、大根と帆立のサラダ、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ。
カプレーゼは生ハムも合わせてミニ薔薇風に盛り付けた。この三種はひと口ずつ、一人一枚の細長い角皿に並べて。
そして、デザートはマカロンケーキ。
予め家で作って来た白いマカロンをケーキに見立てて、間に苺と生クリームを挟み込み高さを出す。苺の先端を切り取りミニ苺にして真ん中に飾り、仕上げにアラザンとミントを飾った。
メニューで品数を欲張っちゃったから、普通のケーキだと食べ切れないかな、と思っての苦肉の策。
並べたお料理を見て、唯くんが「おお、」と目を見開く。良かった、嬉しい反応。
「すっげえ。きぃって何でもアートにしちゃうのな」
「や、、そんなことないよ。
唯くんちお洒落な器ばかりだから、それで料理が映えてるんだよ」
ほんとに、そう。
「これもインスタあげていい?めっちゃ映えてる。自慢したい」
「う、自慢にはならないかもだけど…どうぞ。でも作ってみて気が付いたけど、雛祭りのメニューみたいだね」
「そう?でも、はまぐりなんて、お試しだけど付き合い始めた俺達にはぴったりなんじゃないの」
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