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はまぐりは、1対2枚の貝殼を持つ"二枚貝"で、対の貝はぴったりと合う。
それが仲の良い男女を表すものとされ、女性の幸せを象徴することから、世間一般にはもちろんうちでもちらし寿司と組み合わせて雛祭りの定番メニューになっている。
そのはまぐりの特徴を知っててそんな嬉しいことを言ってくれちゃう、さすがの唯くん。
「うん、、そうだね」
あああ、照れるけれど、ちゃんと自分の気持ちを伝えたくて、そんなふうに返しちゃった。
しばし、無言で微笑み見つめ合う。
唯くんの頬杖が、彼の機嫌の良さを物語っていて、また胸がきゅんとした。
「それでは唯くん。お誕生日、おめでとう!」
「ありがとう、きぃ」
今日何度目かの「おめでとう」を伝え、ノンアルシャンパンで乾杯。
これはbakuさんが用意してくれていたそうで、マスカット味の甘過ぎない爽やかな飲み口だ。
私が和洋中何を作っても合うものを選んでくれていたらしい。
さすが唯くんのお友達。
レストラン勤めというとこもあるけれど、ただ豪快なだけの人ではないようだ。
そしてお互いに手を合わせ、お箸を手に取る。
唯くんこの間も思ったけれど、左手だから違和感ありつつもお箸の使い方が綺麗なんだよね。
食べ方も品があるし、ほんといちいち完璧な人だ。
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