Yui’s birthday

45/53
前へ
/373ページ
次へ
「のんの料理に全然負けてねえじゃん。 のんに任せてるから、あんま料理得意じゃないのかと思ってた。嬉しい誤算だよ。 脳ある鷹は爪を隠すってやつ?」 唯くんの褒め言葉はバリエーションがあって、その都度舞い上がってしまう。 「彼女がセンスもあって料理も上手いとか。最高じゃね?」 舞い上がり過ぎて、私身体が浮いちゃうんじゃないの? 「だから褒め過ぎだって…しかも、bakuさん料理人なんでしょう?普段そんな人が作った料理を食べてるなら尚更」 「しょっちゅう作ってくれるわけじゃないし。俺普段、しょーもないもん食ってるよ。 きぃが一緒に暮らして毎日作ってくれたら最高なんだけどなあ」 甘い誘惑の言葉に思わず「住むよ!作るよ!」と言ってしまうところだった。 私ってばほんとチョロすぎ。 あ、、そうだ! 「ごめん、ポイントカード。凄いポイント貯まってたよ?今日のお買い物分、全部充てさせてもらっちゃった」 「へえ。元は空河からもらったもんだから、知らなかった」 「ごめんね、結局全部払ってもらっちゃって」 「ポイントだし全然。それより、作ってもらったことのがすげえし。ほんとサンキューな」 なんて謙虚でスマートで優しい人なんだろう。 唯くんと私が一カ月もたないなんていうのんの予言は、到底当たる気がしない。
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

665人が本棚に入れています
本棚に追加