Yui’s birthday

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バスタブには乳白色の入浴剤が入っていて。 フラワー系の、めちゃめちゃ良い香りがした。 こういう入浴剤が入ったお風呂なら、体が隠れて見えないし、一緒に入れそうかな? 体を沈めながらふとそんなことを思ってしまい、慌てて大きく首を振る。 ヤダ、なに考えてんの!!! 「だめだ、このままだとのぼせる……」 早々に切り上げて、ざぶんと上がった。 用意されていたバスタオルも、真っ白でふかふかで。 ふと、鏡のそばに置かれている香水が目に入った。 鼻を近付けてくんくん、と嗅ぐと、自然に顔が綻ぶ。 ああこれ、唯くんの匂い。 ちょっとスパイシーな柑橘系の香り。 「ちょっと付けちゃお」 シュッと手首の内側に一回吹きかけた。 そして、持って来た部屋着に着替えてはみたものの。 買ったばかりで今日初めて着てみたら、夏用なのか、思いのほか露出が高め。 ピンクや水色、ホワイトのパステルカラーで素材自体はもこもこしてるけど、鎖骨丸見えだし、袖も短めで二の腕出ちゃってるし。 足なんて、太腿ほとんど隠せてない。 「…なんか、着るもの借りよう」
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