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「唯くん、ごめん」
バスルームの方から声を掛けると、ソファに仰向けに寝転がってスマホを操作していた唯くんがこちらを見て、直後スマホがその手から滑り落ちた。
そして、唯くんのおでこを直撃する。
「痛って!」
「え、だ、大丈夫!?」
あんまり、というか、恐らく初めて見た唯くんの失態にこっちが動揺してしまった。
「大丈夫、、じゃないけど大丈夫」
それってほんとに大丈夫なの?
「あーー、でなんか用あって呼んだ?」
気のせいか、、やけに視線を感じる。
「あ、うん。なんか着るもの借りたいかなって」
「…その格好じゃ寒い?」
「いや、寒くはないんだけどね。
何というか、はだけ過ぎというか、」
「却下」
「え、!?」
「寒くないなら却下」
「っと、じゃあ寒い!スウェットの上下とか、借りたい!」
「寒いの?」
「うん、寒い!」
力強く答えたら、フッと笑って立ち上がってくれた。
てっきり着替えを持ってきてくれるんだと思っていたら、「よいしょ、」と私を抱き抱える。
「へっ!?」
「じゃあベッド行ってあったまろ」
「ええっ!!?」
そのまま寝室のベッドに連れて行かれてしまった。
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