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それからしばらくの間、唯くんとお布団に包まりながら抱き合い、繰り返し口付け合う。
身体のいろんなところに触れられて、時々へんな声を漏らしちゃったりして、ああもうこれは恋人ごっこどころじゃない。
「……きぃちゃん、よくがんばりました」
それが終わりの合図、とでもいうようにおでこにチュ、とキスをくれる。
安堵と恥ずかしさに、そのおでこを手で押さえた。
「……誕生日だから、特別だよ?」
「ん、ありがと。きぃ、めっちゃ色っぽかった」
「っ、ゆ、いくんっ…!」
「ここで止めなきゃ、抑えきかない」
「も、も、もう寝よ!?」
「ははっ、んーーオヤスミ、きぃ」
めちゃくちゃ、わかりやす過ぎるくらいに上機嫌な唯くんに、思わず顔が綻ぶ。
「お試し期間早く終わんねえかなあ……自分で言っといてナンだけど」
むにゃむにゃと、そのまま唯くんは先に私の胸の中で眠りに落ちてしまった。
可愛い…可愛過ぎる。
「お誕生日おめでとう、唯くん。
大好き、だよ」
気付かれないようにそっと、唯くんのおでこにキスをした。
いろんなことがあり過ぎて。
幸せ過ぎて。
その夜はなかなか寝付くことが出来なかった。
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