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ミルクティーブラウンの、ふわっとしたマッシュヘアーが甘めの雰囲気のこの男。
赤星望深。
私の幼なじみだ。
首に巻き付いている、細白くも逞しい二の腕から下にすぽっと抜け出し、ベッドから這い出た。
「そもそも普通じゃないのは、ゼンブあんた発信なんだからね」
生まれた時から家が隣同士の私達。
のんの過度なスキンシップは物心ついた時からで、自分達も周りもそれが当たり前だと思っていた。
というより周りは、私達がお互い好き同士だと勘違いをしていたから、微笑ましく見てくれていたらしい。
なんたって、運命的な二人。
私の名前が、倉科希未。
漢字は違えど同じ名前に、生年月日も、7月7日でおんなじ。
「どうしよう〜、ケッコンしたら同姓同名になるねえ」
なんて、母親同士が冗談で言い合うくらいには仲が良かったというか、のんにぴっとりいつもくっつかれていたことは認めよう。
けれど、私とのんは、違うんだ。
どんなにベタベタされても、体や顔中、寧ろ口にさえキスをされても、のんにはときめかない。
今日みたいに、お互いの部屋に行き来もしょっちゅうしていてベッドで一緒に眠ることも度々ある。
必ず私を抱きしめて眠るのんだけど、安心したり癒されることはあっても、ドキドキすることはない。
そう、いわば家族に近い存在なのだ。
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