1164人が本棚に入れています
本棚に追加
幼稚園も同じ。学校も、小学校からエスカレーター式に大学までずっと一緒の、のんと私。
薄々とわかってはいたけれど、のんとの関係が幼なじみという枠に、世間一般的には到底入りきっていないことを突きつけられたのは、高校3年の、間もなく卒業という2月の頃だった。
へんな時期に、親の転勤が理由で編入して来た三波亜子。
人と絆を深めるのに時間は関係ないのだと身をもって教えてくれた存在で、今では一番の親友だ。
そして、その亜子にも男の子の幼なじみがいて。
けれどその2人の関係は、私とのんのそれとは全く異なるものだった。
「きぃとのんは、特殊すぎる。
この先ずっとのんと一緒で、のんと結婚するつもりなら、構わないよ。
今のままだと、二人とも普通に他の人との恋愛は絶対無理」
そう言われて、今まで当たり前で、ちょっと異質かなと思うことも面倒くさくて放置していたのんとの関係を、見直してみようと思ったきっかけになった。
だって、私だって普通に恋愛したいもん。
そして、のんにもちゃんと恋愛して欲しい。
今まで、お互いにその機会を奪って来たんだ。
のんには、いわゆる体だけの関係の女性がいなかったわけではないようで。
けれどもそれは、私という存在を知らない、外の世界の人達だった。
だけどそんなの、私は恋愛だなんて認めない。
ちゃんと胸がドキドキするような、きゅんとくるような恋愛を、私も絶対にしたいし、のんにもして欲しいんだ。
最初のコメントを投稿しよう!