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Yui
蒼伊唯くん。
私の初恋にして、恐らく運命のひと。
のんとの関係を見直そうと決心し、大学に入学したら誰かと恋愛したいと思っていた矢先。
彼との出会いは、入学式当日のことだった。
いわゆる、一目惚れ。
なんだろう、見た目がイイ男って割といるけど、唯くんはその恰好良さが私のツボだった。
長めの前髪から覗く切れ長の目や鼻、口の形、顎のラインまで綺麗に整っていて、肩下くらいの長さの艶感のある黒髪は、フランクさとセクシーさが融合されている。
華奢そうでちゃんと鍛えられてそうな体躯や、姿勢の良さを含めた立居振る舞いも私の好み。
彼は私達のようなエスカレーターで上がって来た内部組ではなく、およそ2割と言われる外部からの新入生だった。
「のん、私あの人と恋愛する!」
いつも当たり前のようにその日も隣にいたのんに、声高に宣言してから約一ヶ月。
同じ芸術学部美術学科ということもあり、講義が被ることが多く、私は彼に積極的に声を掛けていた。
「唯くーん!おはよう!!」
そして今日も、バスを先に降りた唯くんを追いかけ、挨拶する。
もちろん、のんはくっつけていない。
「……はよ」
はぁぁ、本日の初きゅん。
ちゃんと、気怠そうだけど私をチラ、と興味無さげに一暼してから挨拶返してくれたよおお。
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