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私に構わずスタスタと歩みを進める唯くんに、遅れまいとついて行く。
「唯くんも今日、4限までびっちりだよねえ。
終わったら、一緒にランチしない?」
「しない」
「えええ、なんでえ?」
「……アンタと一緒にメシする理由がない」
はあ、、2度目のきゅんいただきました。
この素敵な塩対応が、堪らない。
この一ヵ月で、私達はだいぶ進展したと思う。
挨拶するし(100%私からだけど)、
話し掛ければ最小限でも返事は返ってくるし
(返ってくるまで付き纏うんだけど)、
最初は嫌がっていた「唯くん」呼びを結局今では容認してくれちゃってるし。
(諦めた、という表現が正しい?)
「理由ならあるよ。
唯くんともっと仲良くなりたいんだもん」
「俺は別に仲良くなりたくない」
ほら、もう既に仲良しかよ、っていうこんな会話も最近は出来るようになったし。
「じゃあとりあえず、お昼は学食に行ってるから。会えたら一緒にゴハン食べようね」
「ヒトの話、聞いてる?」
聞いてるに決まってる。
落ち着いた低めの、けれども澄んだ、胸をくすぐるような色気のある声。
唯くんの言葉は、一言一句逃さないよ。
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