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「それでは……カンパーイ!」
笑顔いっぱいの仲間たちが、グラスを軽く合わせる。ああ、なんて素晴らしい瞬間なんだろう。
「上條リーダー、本当にお疲れ様でした!」
「彩女さん、かっこいいです!」
「一生ついて行きます!」
打ち上げの席だから、全員テンションが高め。だけど私も、とても気分がよかった。
2時間ほどみんなで食事とお酒を楽しんだあとは、二次会のダーツバーへ。
こうして気兼ねなくコミュニケーションが取れるようになるまでには苦労もしたけれど、そんなことはどこかへ吹き飛んでしまった。
「また上條さんの下で、仕事がしたいです」
こんなに嬉しいことを言われたら、もう病みつきになってしまう。
仕事のやりがいはたくさんあるけれど、多くの人と信頼関係を築けることが、一番の醍醐味かもしれない。
こうして二次会も大いに盛り上がり、終電ギリギリに解散。
私は自宅の最寄り駅で降りると、まっすぐ帰宅せずに、自宅マンションに続く道から1本外れた路地へ入った。
向かったのは、お気に入りのバー。イタリア語で「神秘」を意味する「MISTERO(ミステロ)」という名前のそのお店は、仕事で昂った気持ちを鎮めるのにピッタリの場所だった。
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