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「自分がなにを言ったかわかってるの?」
放課後、私は湯葉を自宅まで連れて帰り、袋鍋のラーメンを茹でながら切り出した。
うちのことならばトイレットペーパーの在庫数まで知っている湯葉は、冷蔵庫から冷水のポットを取り出して「わかってるよ」と肩をすくめる。
「わかってないよ!」
お待ちどうという代わりに、丼を卓上に音を立てて置く。
「湯葉はどんな目で見られるかわかってないからそんなことが言えるんだよ!」
「そう怒るなって。ほら、これでも食べて落ち着けよ」
湯葉は私のラーメンに一味唐辛子を山ほどかけた。
説教は後回しにして、しばらく麺を啜ることに集中する。
いらいらしながら茹でた麵は好みよりも固かった。
「辛は本当に辛党だねえ」
湯葉の分は一味唐辛子をかけていない普通の味噌ラーメンなのに、お冷の消費量が私よりも多かった。
湯葉の突飛のない言動は、本人にとっては理にかなっていることだと、長い付き合いの私はよくわかっている。だけど周囲にとってはそうじゃない。
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