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さて、次のミッション計画ができた。
依頼は、事故死したという女の兄から。女が会社から横領してまで貢いだ男。結婚詐欺と気づいて詰め寄った際の不幸な転落事故だ。が、いずれにせよその男に殺されたのだと兄は言う。
詐欺男の生活習慣を調べあげ、実行場所を決定。後はほぼいつも通り、美鷺と2人で挟みうち→吹き矢→投げナイフ→サヨウナラ、だ。
その当日。
待ち合わせ場所に美鷺が来ない。昨日確認のLINEを送ったのに、その返事もまだだ。
何千回言ったらホウレンソウができるのか。返事は遅くともその日のうちがルールだと。
恐らくはその女から巻き上げた金で飲み屋をはしごするターゲットを見送りながら、桔梗は舌打ちを堪えた。
「連絡来ました? ったく何度言っても美鷺ったら!」
「いや。じゃ今日のミッション、中止?」
「それしかないでしょ。美鷺昨日からLINE見てない。んで無言ドタキャン。今度はシチュー研究かハエ叩きにでも夢中になってんじゃないですか!」
部長は「俺からも少しキツく言っとくわ」と息をついた。言い終わらないうちに「お願いしますね!」と桔梗はかぶせた。
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