楽しいが一番!

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 私の筆力は、また0.4人前くらいだろう。しかし、拙さを凌駕する愛しさが、必ず作品に宿った。  この感覚は、自らの脳と心と時間と指先はもちろん、底のない愛情を捧げなければきっと得られない。  再び、スマートフォンが私を呼んだ。導かれるまま通知を見る。SNSのダイレクトメールにメッセージが届いていた。 “七星先生、初めまして。新作小説拝見しました。とても素晴らしく、感動いたしました。実は私、以前小説を書いていたことがありまして。けれど、やめてしまって。ですが、先生の新作を読んだら久々に筆を取りたくなりました”  メッセージ画面に、満面の笑みを注いでしまう。内から内からと溢れだす喜びは、高価なサプリメントよりも私を潤した。  まずは第一読者である私が楽しむ。それを、誰かも一緒に楽しんでくれるなら、これほど素晴らしいことはない。  それから、誰かの特別な一冊になれたりしたら、もっともっともっーと素敵だ。  あの日、私を引き戻してくれた、イプ先生の小説のように。
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