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一緒に話しながら過ごすと、後数分で年を越してしまう。
「後もう少しですね。」
「あ、本当だ。こっち座って晴ちゃん」
そう言いながら蒼くんが座っているソファーの隣をポンポンとする。
言われるがまま隣に座ると、蒼くんは私の手を握る。
「1番幸せかも、晴ちゃんと年越せるなんて。」
自分が何を言っているのか蒼くんは理解してるんだろうか。
誰にでも言ってないって事はわかる。
わかるからこそ勘違いしてしまいそうになるから嫌なんだ。
そんな簡単にときめかせないで。
私を好きじゃないならそんな風に言わないで。
ドキドキして何も言えなくなっていると、もう年明けがそこまで迫っている。
「…蒼くん、この1年ずっと一緒にいてくれてありがとうございます。来年も、よろしくお願いします。」
そう伝えると蒼くんは嬉しそうに笑って「うん」と返してくれる。
繋がれた手に力が入った気がした。
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