40人が本棚に入れています
本棚に追加
──Side 晴
自転車を押して通学していた。
いつもならさっと自転車を漕いで行くんだけど、今日は待ち合わせしたから。
時間くらいにその場所に来るとバス停のベンチに座り込んでる人がいた。
その姿は昨日と変わらない、昨日出会った危険な彼の姿。
本当に来るなんて思ってなかった。
「晴ちゃん、おはよ」
相変わらずピアスもしてるし、学ランの前ボタンは空いてる。
昨日あんなにピアス外せ、ボタンは閉めろと怒られてたのに。
「蒼くん。」
私の姿を見て不思議そうな顔をしていた。
「あれ、晴ちゃん自転車なの?にけつしてく?」
「え」
聞き返していると私の自転車を奪い取り、前のカゴに蒼くんのスクールバッグを入れる。
そしてそのまま跨ると、こちらに少し振り返る。
「乗って晴ちゃん」
いや、それ私の自転車。
「警察の人とか学校に見つかると面倒ですよ」
「たまにはいいじゃん、優等生な生徒会長もハメ外しなよ」
最初のコメントを投稿しよう!