42人が本棚に入れています
本棚に追加
「…わかりました、時間空けますので裏庭とかでいいですか?」
「わかった、またね晴ちゃん」
そう言って手を振ると、軽い足取りで1年の教室に向かっていく。
なぜ懐かれているんだろ、私。
全くタイプも違うし、特別な何かがあったわけでもない。
理由を考えても何も分からず、考えながら生徒会室に向かう。
いつものように生徒会室に入ると結城先輩が既に居た。
「おはよ、桜木。」
「おはようございます、結城先輩。」
他の生徒会役員はまだ来ていない。
いつも私か先輩が早くついてどちらかが生徒会室の鍵を開ける。
「そういえば、絡まれてるんだって?例の新入生に」
「はい、友達になりました」
私の言葉に結城先輩が意外そうな顔をする。
「友達?」
言葉を繰り返しては可笑しそうに笑う先輩。
「すごい子と友達になったんだね。」
「なんというか、思ってたより悪い子ではない…はずなんですけど。」
素行的にはかなり悪いのだけど、自分に危害を与えない人にはそこまで害は無いのかも。
昨日の喧嘩だって、喧嘩売られたって言ってたな。
自分から殴ってないからOKとかそういう話ではないけど、彼だけが悪いとかそんな話でもない気がする。
最初のコメントを投稿しよう!