42人が本棚に入れています
本棚に追加
膝の上に載せていたお弁当の包みを開くと蒼くんがまじまじと見ている。
「弁当ちっさくね？」
「そうですか？」
結城先輩以外とこんな風にお昼を取ることはないから初めて言われた。
蒼くんはパンと飲み物を用意していた。
ご両親はお弁当作ってくださらないんだろうか。
「蒼くんはお弁当は？」
「俺は弁当とか無い。食いたくないし」
言葉は冷たくて、その上で興味が無さそうな物言い。
「そう言えば蒼くん、叔父さんが学校いけって言うから行ってるって言ってましたよね？」
「そうだよ」
触れてもいい部分なのか悩んでいると、蒼くんは何事もないことのように口を開く。
最初のコメントを投稿しよう！