Prologue

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『新入生の皆さん、初めまして。生徒会長の桜木(さくらぎ) (はる)です』 マイク越しに体育館に声を響かせるのは、私。 説明の通り生徒会長の桜木 晴。 高校2年生に今日なった。 3年生の生徒会長が1年に後継者譲るのも新しくて面白いんじゃない?と言った提案で当時1年から居た私を生徒会長に指名した。 今日は入学式で、代表として、生徒会長として一年生全員の前で挨拶をしていた。 こういうの本当はすごく苦手だ。 生徒会に入っているのも一つの事情で、生徒会長を受けたのもある人のため。 ここに自分の意志なんて無い。 考えていた挨拶を止まることなく話続けていると、入口あたりが騒がしくなる。 先生と言い合いしている1人の生徒が目に入り、そちらを見ながらも暗記した言葉を発し続けた。 何あれ。 混乱を招いてはいけないと思い止めなかったけど、内心ものすごく動揺していた。 黒髪の長い前髪の隙間から黒い目を覗かせてこちらを見ている。 綺麗な顔をしていて、酷く冷たい目。 綺麗だけど、怖い。 その男子生徒と私は少しの時間見つめ合う。 まるでこの空間に二人きりのように。
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