13人が本棚に入れています
本棚に追加
ドクターは、体力が戻ったら! と、仰った。
必ず戻りますとは、仰っしゃらなかった。
僕は、不安だった。でも山川君は、前より逞しくなるよ! と言ってくれた。
僕は、その言葉に励まされた。
それから、検査、検査の毎日だった。
母と、瑠璃ちゃんが来てくれた。
「 お兄ちゃん、お兄ちゃんは、すてき。
わたしが大きくなったら、お兄ちゃんと
けっこんしたいなぁ~」
僕は、どきどきした。
「 瑠璃ちゃんと結婚できたら、とっても嬉しいよ 」
「 あ~そうだね~お前と瑠璃ちゃんは、気が合うからね。そうなったら、どれほどいいか! 」
「 きゃはは~ 」 瑠璃ちゃんは、笑った。
それからすぐに、母と瑠璃ちゃんは、帰った。
僕が、疲れたら困るからだ。
病室の窓から、瑠璃ちゃんを見ていると
なんと、瑠璃ちゃんは、振り返って、僕を見た。
小さな、小さな手を振った。
僕は、やっと歩けるようになった。
あと一週間で、退院だ。
〖 イエス様、瑠璃ちゃんと、、、、〗
と、祈りかけたけれど、それ以上言葉が
出てこなかった。
五階建ての五回の部屋から、手を振った。
最初のコメントを投稿しよう!