僕の小さな恋人

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それから、一週間経った。めまいも無く、食欲も出てきた。 「 また、空手の稽古ができるかな? 」 「 病院の先生に訊いてごらん? まぁ、お前なら大丈夫だと思うよ 」 ちょうど、病院に通う日だった。 「 大丈夫ですね。血液検査の結果も異状は ありません。食欲も出てきて、よかったですね。 お若いから、大丈夫です。空手の稽古は 少しずつなさってください 」 五月の風の中を歩くと、生きていて良かったと、しみじみと思った。 若葉が綺麗だ。いつか瑠璃ちゃんが、言った。 「 お兄ちゃん、そらも、はなも、はっぱも きれいだね。だれがつくったのかなぁ? おじいさまにきいたら、このよをつくられた、神さまだ! って言っていたよ 」 僕は、ぶらりと本屋に入った。 新改訳聖書を買ってみた。瑠璃ちゃんの家にあるものと同じだ。 ══ 初めに、神が天と地を創造した ══ 僕は、納得した。なぜか嬉しかった、
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