あなたの記憶

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 その知らせを受けてしばらくは、ただあなたとの思い出を辿っていた。  何度も繰り返したあなたとのやり取りの履歴を見ていた。そして、今まで集めてきた写真を見返していた。いくらそれを眺めても、気持ちは晴れるどころか沈んでいく。  それでも、やめられなかった。あなたのことを忘れたくなかった。  私にとって最後に見たあなたの表情はとても明るくて、その表情を見ているだけで私も嬉しくなった。  それに、たった数日前のあなたの言葉も、希望に満ちていた。そんな風に思える。私には、そうとしか思えなかった。  写真に写っているあなたは、どれも楽しそうで幸せそうだった。  だからこそ、起きてしまった現実が許せない。  あなたを返してほしい。  もう一度、あなたに会いたい。  だから、あなたが生きた日々を集めたい。  それは、辛いことかもしれない。きっと、それは私にとってもあなたにとっても辛いことなんだろう。  やらない方が良い。知らないままの方が良い。そんな気持ちもある。  それでも、そうせずにはいられなかった。あなたのことが知りたかった。私が知らないあなたを知りたかった。
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