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パーティションの横をすり抜け、ドアが開いたままの取調室を出て、十分に距離が離れると川島が口を開いた。
「伊藤涼香から、何か供述は取れました?」
「ああ。やはりルーターのパスワードを知られていた。本人がそれと気付かない方法で」
「その相手、鈴木……じゃない、神崎の証言した不審人物と同じ人間ですよね?」
「…………」
川島に、比嘉は答えもせず、歩みも止めない。
「すみません。それを調べるんですよね」
「分かっているなら聞くな。とにかく話は後だ。脇坂達も戻ってくる。全員が揃ってからで良いだろう」
捜査本部で他のメンバーが揃うまでの間、比嘉は繰り返し大迫和馬がアップロードした動画を見ていた。
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