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「……そうか。なぜ監視カメラの映像を連想させるのか、ようやく分かった」
比嘉の目に、これまでに無かった光りが宿る。もう一度動画を頭から再生して一人頷くと、今度は他のメンバーに見えるように頭から再生した。
「この動画、カメラ位置が変わらないどころか、全くブレていないんだよ。いや、一か所だけ僅かにブレる。……ここだ」
比嘉が指摘したその瞬間は、ワイングラスで乾杯する為に、大迫がテーブルに身を乗り出して片手を突いた場面だった。
「大迫本人の言葉で、このカメラ。いや、スマホは『涼香』が持っていると思い込んでいたが、実際はテーブルと繋がった何かに固定されていたんじゃないか?」
指摘されて川島が比嘉のスマートフォンを手に取ってもう一度動画を再生した。
「あっ。警部、この動画編集されてますよ。動画の前後がカットされています」
「なぜ分かる?」
比嘉の問いに、川島は自分のスマートフォンを出して説明を始めた。
「いいですか? 警部の言った通り、スマホを固定して撮影したとします」
川島は言いながらスマートフォンを長机同士で挟み固定した。
「この状態で動画の撮影を始めます」
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