その2 いつも通りですよー!!

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―――嗚呼…。 聞こえないふりをすればよかったんだ。 気のせいだとしてしまえばよかったのに…。 部屋のソファの一歩手前で寝ている男を見て、早くも後悔していた。 疲れた…。 私一人では180cm以上あるこの男を持ち上げることは不可能だったため、玄関からずるずると引きずってきた。 途中で運ぶことを諦め、何度も起こしたが、決して起きなかったこの男。 当然、ソファの上に乗せることはできず、絨緞があるからまあいいか、と半ば投げ出す形で放置した。 一向に起きる様子のない男を再び見ながら、ため息を吐く。 まず、何でコイツが私の家を知っている? 引っ越したのは先週なのに…。 え、まさかストーカー………いやいや怖すぎる。 まず、私を訪ねてきたんじゃないかもしれないし。 でも、「みなみ」って呼んだよね?? ………もう、分かんないや。 ……疲れた。眠い。 考えることを諦めた私。 面倒なことは明日にしようとお風呂に入って就寝することにした。
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