その2 いつも通りですよー!!

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「あ、……携帯。あれ?携帯ない。携帯知らない?」 「さぁ?」と真似した私を一瞥し、あっれーおかしいな、とやっている。 「あれ?俺、財布もないじゃん??」 何でー???と騒ぐコイツになんだか苛々した。 だって、起きたのなら、はやく帰ってほしいもん。 「なぁ、南」 「……なに?」 「携帯…」 「だから、知らないって」 「じゃあ、財布は」 「それも知らない。はやく帰れば?」 「え、まさか盗った?」 「盗るわけないでしょ!?もう出て行ってよ!!」 「ゴメン、ゴメン。冗談だって…」 鼻息荒く怒鳴る私に、引いた様子の圭。 「店に忘れた?……か、落としたかな…。なあ、携帯貸して」 「なんで?」 「いいから。はやく。俺のないんだもん」 自己中の極み。 こんなヤツの携帯も財布も見つからなければいいのに…、と思ったけど、見つからないとコイツが出ていくのも遅くなる気がする。 仕方がないので、しぶしぶ携帯を差し出した。 しばらくすると、乱暴に投げられて携帯が戻ってくる。 「ちょっと!投げないで!」 「警察署にはないって。店はまだ閉まってる。開店は夕方からかな?まいったなー…」 いよいよ本気で参ったな~モードの圭。ここで嬉しくなった私は性格が悪いのだろうか? 私はにやにやが顔に出ていたらしく、圭は再び引いた様子で、 「何だよ。気持ち悪い。…まあ、お前といてもいい事なさそうだし、帰ろうかな。お邪魔しました」 はぁ?いちいち癇に障る言い方! 「そーですね。私もあなたと過ごす時間は無駄だと思います。お引取り下サイ」 「お前、変わんねーな。まじ可愛くねー女」 何だと…!?最悪男…!!!
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