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「ところで、いつまでいるの?」
ふと、疑問に思って聞いてみる。
「んー、夕方?」
「え!?困る!早く帰ってよ!私といても良いことないんじゃなかったの?」
「根に持つなよ。嫌な奴だな」
お前に言われたくない!
「それに、私、今日は1時から高田君と…って今何時!?」
「12時。急に騒ぐなよ。出かけんの?」
圭の話を無視して用意を始める私。
無視だ、無視!あんな奴!
呆れた様子で見られているけど、気にしない。
うん。全く気にならない。
「高田クンね…。もしかして、デートぉー?」
一瞬、動きが止まる私。
奴はどうせニヤニヤしているんだろう。
「ウルサイ!黙って」
顔も見ずにそう一言だけ告げて用意を続けていると、笑い声が返ってきた。
「南チャ〜ン。その服はないんじゃない?そっち。そこに落ちてるやつのほうがまだマシだと思いますケド〜?」
私が無視を続けているにも関わらず、絡んでくる圭。
………絶対、楽しんでる。
「うるさいな!放っておいてよ!」
「あーあー、その服装は萎える。女らしさのかけらもねーなー」
怒った私にも構わず、火に油を注ぎ込んでくる。
そっちがそう来るなら、こっちだって……。
「私出かけるから、あんたも早く出て行ってよ!」
「はぁ?」
「はぁ?って…、ずっとここにいるつもりなの?」
嘘だろ!?という気持ちを精一杯込めて圭を睨みつけた。
生憎、昔から目力には自信がある。
―――が、
「―ッ」
………コイツ、舌打ちしやがった。
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