44人が本棚に入れています
本棚に追加
映画を見た後、カフェに入ってのんびりすることにした。
私はデートって感じだなぁ、しかも、高田君、素敵過ぎ!と思いながらも、落ち着いた雰囲気を出して、自分なりに美しく微笑んでみる。
その私の表情を見て高田君は…、「何?俺なんかした??」と戸惑っている。
「イヤ…、ナンデモナイヨ」
急いで目をそらして答えたが、ちょっと落ち込む。
目力のせいかもしれないけど…。
「そうそう、南ちゃん、俺のレポート、知らない?」
「レポート?」
唐突なそれに、あったかな…と考えてみる。
「うん。数枚、計算式で埋めてあるやつなんだけど、荷物に紛れ込んでなかった?失くしたのは一緒に時間割立てたときかな?と思って…」
「ああ、それならあったかもしれない」
そういえば、シラバスに見覚えのない紙が挟まっていた気がする。
「よかったー。無いともう一回計算しないといけなかったから助かったよ。今日、取りに行ってもいい?」
「えぇぇぇ!?今日!?明日じゃ駄目?」
まだ、講義が始まって二週間なのに、そんな大変そうなレポートが出るなんて、レベルの高い学部は違うなぁ…と感心している私に彼からの驚きの提案。
それは駄目だよ!!帰ると部屋に圭がいるのに…。
なにより、あんなのと知り合いだなんて思われたくない。
しかも、変に疑われたら最悪だし。
「この後、そのレポートのことで友達と会うんだ。今日も南ちゃんの家まで送っていくからさ」
「イヤ…、今日は…ちょっと」
どうやって断ろう。いきなりすぎて何も思いつかない。
「駄目?」
「駄目っていうか…そうだ!私が取ってくるよ!ここで待ってて」
「なんで?そんな大変なことしなくていいよ。帰りに寄るだけだから」
「ああ…うん。……わかった」
断り切れなかった…。どうしたらいいんだろう??
最初のコメントを投稿しよう!