その3 あっれ?え??誰かいましたっけ?

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そんな重い空気が漂う中、一人の男が口を開いた。 「颯、今日はここで夕飯食べるの?」 「え?」 怪訝な顔で…、不機嫌さを隠せていないまま返事をする高田君。 ちょっ!馬鹿男!!何を言い出すんだ!?? 空気読・め・よ!ク・ウ・キ! 「だって、南、彼氏のためにーって…出かけるまで一生懸命準備してたから。一緒に食べるんじゃないの?」 「いや…、そんな約束してないけど…」 ………うん。してないよ。 私を無視して、構わず進める馬鹿男。 どうした?ついに本気で頭やられたんじゃない?? 「そ?でも、南、張り切ってたよな?」 は?私がいつ??? 真顔で言う圭にますます不信感は募る。 一方、控えめに私を見る高田君。 「………そうなの?」 え?そうなの??私も、知りませんけどー??? ていうか、ぶっちゃけ何も作ってないしね! あるのは不味い朝ごはんだけだから…!! うん。あれは大量に余ってる。 ………待てよ。さては、コイツ……策略か!?? 高田君の向こう側にいる元凶の圭を睨むように見れば……、 ………え?何? 私を見ながら首を上下に動かしている。 …………は? さらに、右手の人差し指を振るように動かし始める。 え?は?何あれ?怖いんだけど。 まさか、何かの魔術…? 言いようのない恐怖に襲われていると、アイツは眉根を寄せて不機嫌そうに口を開いた。 そして、声を出さずに、 う……、な……。 ……はぁ?“う、な”!?何それ?? 本気でなんかの呪い!??やだ怖い!!! あ…、「ちげーよ…」って顔してる。 え?何?もう1回? ……う………な………ず、…………け? あー!頷けね! 分かった分かった、おっけー。
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