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言われた通りに頷いていると、更にうんざりした表情で高田君を指差している。
見ると怪訝そうな高田君がいて……。
そうでした!そうでした!
高田君の質問の途中だったよねー。
そこで指示通りに、ひたすら頷きながら、
「……えっと、あー、……うん」
我ながら、非常に曖昧な返事…。
高田君は眉根を寄せ、……た気がしたけど、気のせいだったみたい。
困ったように笑い、私の頭にぽんっと手を置いて、
「ありがとう」
その後、私を見て「ずるいよね」と一言だけ。
何これ?いいってこと?でも、ずるいって??
圭と何か喋り始めた彼を横目に、頭に手のぬくもりの余韻を感じていた。
しかし、そこで気付いた新事実。
………ちょっと待って?
よし!これでうまく収まったし、いい雰囲気になったよね♡
………って気になってたけど、私、何も作ってないじゃん!?!?
ここで「さっきの、やっぱり嘘ですからー」って言うの?
えー!?言えない!!絶対言えない!!
どうしよう???
でも、どうしようもないよね!?
やっぱり、アイツの策略だったんだ!!!
くっそ…!!まんまと嵌った!!!
再び圭を睨んでいると、私の視線に気付いたらしく目が合った。
なんだ?やる気か!??と睨み返していると、呆れた様子で私をキッチンまで引っ張ってきて…。
「ほら、早く。持って行けよ。俺は帰るから」
何これ?私、知らない…。
キッチンに並ぶのは記憶にない食べ物ばかり。
えーっと…、私、朝、こんなに作ったっけ?
………いや、そんなわけないよね??
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