その3 あっれ?え??誰かいましたっけ?

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「おいしい。上手だね」 「…そ、そうかな?」 褒めてくれる高田君になんて返していいのか分からない。 私、絶対、顔、引きつってる…。 だって、味噌汁以外は全部、圭が作ったわけだし…。 というか、味噌汁は運ぶつもりなかったのに、圭が後から勝手に持ってきた。 おかげで、心臓と目玉が飛び出るくらい緊張したし…。 だけど、口に運んだ直後の高田君の最初の台詞がさっきのアレ。 ………味、変えてくれたのなら初めから教えといてよ。 変な汗かいちゃったじゃない…。 チラリと見れば、静かに食べ続ける圭。 何で無表情?何考えてるんだろう? 全部、俺が作ったんだよ。ばーか。とか思ってんのかな?性格悪いもんね。 でも、高田君の機嫌も直ったし、雰囲気も良くなって良かった。 圭のおかげっていうのが癪だけど。 そう思っていると目が合い、コイツはまた空気を読まない発言をした。 「ねぇ、颯ちゃん。なんで南と付き合っているの?本当に楽しい?」 「は?」 「ちょっと!?」 おい!今このシチュエーションで聞く話じゃないよね?? 何のつながりもなかったじゃん!? ビックリしたー!いくら馬鹿だといっても限度があるでしょ!? 「だって、颯ならもっと可愛い女の子いただろうし?」 バカ!余計なこと言わないで!! 目が覚めた…とか言われたらどうしたらいいのよ!? しかも、何なの?その納得いかない表情!! 「楽しいよ。お前、もう一回言うけど、知り合って2週間だからね?」 「その知り合い暦2週間の友達を頼ったのは誰だよ」 うんざりした様子の高田君に不服そうに反論する圭。 ああもう!お願いだから、高田君の機嫌を悪くしないでよ!
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