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「ああ…、そうだった。これお前の?」
高田君は思い出したように鞄から何かを取り出した。
「俺の財布と携帯じゃん!?鍵もある!やった!なんで?」
「昨日、飲み会に行ったらお前が忘れて帰ったって持たされたの」
「やったー、部屋に入れるし」
子供のように手放しで喜ぶ圭。
「そうだった…、そういえば昨日の夜、携帯が何回か鳴ってて…」
「――ッ嘘!?」
高田君が言い終わらないうちに携帯を取って着信を確認する。何?何事?
確認すると、力なくため息。
……本当に何なの?意味不明。
私達がその様子を呆然と見ていると、視線に気付いて、「あ…、悪い。何だっけ?」と決まりが悪そうに交互に見る。
「大事な用事?」
「いや…、べつに。母親から」
「私、お母さんに言いつけちゃおう。息子さん、マンションの廊下で寝てましたよーって」
「バカ!余計な事するなよ」
「明日しーよう♪」
「ねぇ、理由知ってる?振られて酔いつぶれたんだって。昨日、飲み会で聞いた」
「うわ、だっさ」
「オイ、颯、知り合って2週間だろ!」
横目で睨みつけられたけど、怖くないもん。
「どのくらい付き合ったの?」
「1年と…ちょっと?」
軽くため息をつくと、少し拗ねたような表情になる。
「ちょっと別れただけですー」
「別れたくない!って騒いでたって聞いたけど?」
「~~~~ッ2週間!!」
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