その3 あっれ?え??誰かいましたっけ?

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「ああ…、そうだった。これお前の?」 高田君は思い出したように鞄から何かを取り出した。 「俺の財布と携帯じゃん!?鍵もある!やった!なんで?」 「昨日、飲み会に行ったらお前が忘れて帰ったって持たされたの」 「やったー、部屋に入れるし」 子供のように手放しで喜ぶ圭。 「そうだった…、そういえば昨日の夜、携帯が何回か鳴ってて…」 「――ッ嘘!?」 高田君が言い終わらないうちに携帯を取って着信を確認する。何?何事? 確認すると、力なくため息。 ……本当に何なの?意味不明。 私達がその様子を呆然と見ていると、視線に気付いて、「あ…、悪い。何だっけ?」と決まりが悪そうに交互に見る。 「大事な用事?」 「いや…、べつに。母親から」 「私、お母さんに言いつけちゃおう。息子さん、マンションの廊下で寝てましたよーって」 「バカ!余計な事するなよ」 「明日しーよう♪」 「ねぇ、理由知ってる?振られて酔いつぶれたんだって。昨日、飲み会で聞いた」 「うわ、だっさ」 「オイ、颯、知り合って2週間だろ!」 横目で睨みつけられたけど、怖くないもん。 「どのくらい付き合ったの?」 「1年と…ちょっと?」 軽くため息をつくと、少し拗ねたような表情になる。 「ちょっと別れただけですー」 「別れたくない!って騒いでたって聞いたけど?」 「~~~~ッ2週間!!」
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