その2 いつも通りですよー!!

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――金曜日P.M.9:00@自宅前 “黒いもの“が人だと分かったのは扉の前まで来たときだった。 黒いミリタリージャケットを着た男が廊下に背を向け、手足を折り曲げた状態で丸くなって横たわっている。 さっきの私からはジャケットしか見えなかったようだ。 これって……、死体!?? ……………じゃないよね? なんでここに? これは誰??一体何なの??? この男をどうしようかとぐるぐると考えをめぐらせたが、頭はパニック状態。 「……どうしよう?」 特に考えはまとまっていないが、話しかけてみることにした。 「あのー。大丈夫ですか?」 「…………」 「生きてますかー?」 『…………』 ………………返事はない。 怖いな~と思いながらも、勇気を出して男の肩を揺さぶってみる。 「大丈夫ですかー?」 息はある。 どうやらその男は眠っているみたいだ。 ひとまず安心した私はだんだん「人の家の前で寝てんなよ!」という思いでいっぱいになり、男の体をゆさゆさと揺さぶり続けた。 …………と、その瞬間、男の顔が見えた。 「………え?」 ……………………息が、止まるかと思った。
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