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「………圭ちゃん!?」
声にならない声で呟いた。
なんで圭ちゃんがここにいるの!?
【佐野 圭(さの けい)】
彼とは実家が隣同士。
だけど、彼は隣町にある寮制の私立高校に通っていたため、中学の頃までしか関わりはなかった。
そして、何を隠そう私はこの男が大嫌いである。
何故彼がここにいるのか?
理由は分からないが関わりたくない。
でも、寝てるし…どうしたらいいんだろう?
えーっと…、整理しよう。
一、家の前に佐野圭が寝ている。
二、私はこの男が大嫌いだ。
三、再確認。佐野圭は寝ている。
よっし!無視しよう!
私は何も見ていないと決め込んで扉の前の男を無視することにした。
彼に当たらないようにそーっと扉を開ける。
そーっと開けて、わずかな隙間を通ってそーっと部屋に入って扉を閉めた。
…………つもりだった。
ガタッ…、
背中をあてた扉の向こうで何かがぶつかる音と男のうめき声がした。
―――――ッ…、やっちゃった~…。
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