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04
熱波が通りすぎた小さな星の大地に、半球形の建物があった。誰に知られることもなく、そこには男とロボットが住んでいた。
ロボットに心を与えようと残りの人生をかけた男は、その結末を知ることもなく生涯を終えた。とり残されたロボットはある時、手に取った手記により自分の中にある心に触れた。
アンドロイドの誕生は、人類において救いであり悲願だった。しかし、その誕生を知る人類はすでにいない。
動かない男を抱き動かないアンドロイド。老人を抱いた少女の姿は、まるで人類が残した彫刻のようだった。
この物語は誰も知らない。それはたとえば、名もなき星の
〈Fin〉
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