学校はデスゲーム実行委員会に乗っ取られました

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 世の中不景気だと言われていても。  ちょっとだけ治安が悪くなったと言っても。  それはネットの世界の中の話で、現実の日常は特に変わらないと思っていた。  ──あの日、突然にヘリコプターが飛んできて、学校を閉鎖されるまでは。 『こちら、デスゲーム実行委員会です』  スピーカーで非現実的な言の葉を発せられる。 『この高校は制圧しました。最後のひとりになるまで、下校を一切許しません』  デスゲーム実行委員会を自称する連中は制服を着て、全員狐のお面を付けていた。  その上動きは機敏で、学校の出入り口という出入り口に鉄網を張り巡らせて脱出できないようにしてしまった。  うちの学校の外は住宅街で、本来なら近所のマンションの人たちには助けを求められるはずなのに、屋上すらも閉鎖してしまったのだ。  職員室にいる、勇気ある先生たちは、すぐに警察を呼ぼうとしたものの、電話は何故か使えなかった。電話線は切られてしまい、スマホもネットもジャミングが設置されてしまい、外に助けを求めることができない。  更にパニックを起こした生徒たちが、デスゲーム実行委員会の閉鎖した裏門に突撃して下校を強攻したが、彼らの持っている武器であっけなく殺されてしまった。 『こらこら。殺していいのは制服の生徒たちですよ。自分たちはデスゲーム実行委員会です。デスゲーム実行委員会の面子を攻撃した場合、ペナルティとして処刑します』  デスゲーム実行委員会は嘲笑うように言った。 『ほらほら。頑張ってデスゲームをスタートさせてください。武器も武装も用意します。ちゃんと生徒同士で殺し合って、最後のひとりになるまで人数を減らしてください』  ……冗談じゃない、と思った。
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