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雨が射るように降っている
こんな日は彼奴が空の何処かにいる
『今度は誰にしょっかな~ 止めとこかな~~』
人間を救うなんてボクの趣味に合わないしー
頼まれて惰性で続けてるだけさ
悪魔の方がずっと面白いもの
地獄へ連れて行く時なんて羽根が震えるよ!
キャキュキョ!
天使の歌声が響く
キュキャキョッ
耳を劈くように
老人の手を引くのは悪魔
約束を破るのが天使
優先席を譲るのは悪魔
命を粗末にするのが天使
「美味しかったー」と言って
ご飯を残すのが天使
「騙されたと思ってやってみたら?」も天使
「お釣りが百円多いんですけどー」
何て神に誓って言わないのが天使
そして
信じる者は救われる宗教が悪魔
神を信じろだって!
笑っちゃうね~
祈って祈り続けて
助けてくれたことがあったのかい?
悪魔の方が正しいのさ
いずれ君にも解る時がやって来る
さあ時間だ
地獄に旅立たなければならない
あの最終列車に乗らないと
ぼくは骸骨の車掌に切符を渡すと
タラップに足を掛けた
稲妻とともにハートの矢が
胸に突き刺さり
気が付くとぼくはビルの屋上から
下界を見下ろしていた
ウフフッ
騙されたかい?
知らなかったでしょ!
ぼくこそが
”天使”なんだよ!!
悪魔の心を
持っているけれど・・・・
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