天使の矢

1/1
前へ
/1ページ
次へ
free photo6ccdd116-608f-4b5b-818b-382c2a24d648 雨が射るように降っている こんな日は彼奴が空の何処かにいる 『今度は誰にしょっかな~ 止めとこかな~~』 人間を救うなんてボクの趣味に合わないしー 頼まれて惰性で続けてるだけさ 悪魔の方がずっと面白いもの 地獄へ連れて行く時なんて羽根が震えるよ! キャキュキョ! 天使の歌声が響く キュキャキョッ 耳を劈くように 老人の手を引くのは悪魔 約束を破るのが天使 優先席を譲るのは悪魔 命を粗末にするのが天使 「美味しかったー」と言って ご飯を残すのが天使 「騙されたと思ってやってみたら?」も天使 「お釣りが百円多いんですけどー」 何て神に誓って言わないのが天使 そして 信じる者は救われる宗教が悪魔 神を信じろだって! 笑っちゃうね~ 祈って祈り続けて 助けてくれたことがあったのかい? 悪魔の方が正しいのさ いずれ君にも解る時がやって来る さあ時間だ 地獄に旅立たなければならない あの最終列車に乗らないと ぼくは骸骨の車掌に切符を渡すと タラップに足を掛けた 稲妻とともにハートの矢が 胸に突き刺さり 気が付くとぼくはビルの屋上から 下界を見下ろしていた ウフフッ 騙されたかい? 知らなかったでしょ! ぼくこそが ”天使”なんだよ!! 悪魔の心を 持っているけれど・・・・ free photo52e244dd-bf85-4488-be6d-3a5210136bd7
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加