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昼食は、シーフードのカップ焼きそばで済ませた。いくら好物でも、五日続けば飽きるのだと学習した。
母ちゃんは婆ちゃんのお世話で毎日、七時頃までは帰ってこない。
埼玉の連続幼女誘拐事件の犯人がようやく捕まったとかで、テレビでは連日、その事を取り上げている。
─ あの日、
目を覚まさない、おいちゃんの枕元で婆ちゃんは
「他人を殺すのも、自分で死ぬのも、命を奪うことに違いはないよ。罪の重さでいやあ同じだね。この子はホントに馬鹿な子だ」
とさも忌々しげに吐き捨てた。
黙って家にいて贅沢さえ言わないでくれれば、何不自由なく生きていられただろうと。
─ そうだろうか
おいちゃんは少なくとも命を弄んだりはしなかった。寧ろ、大切にした末の結論がああいう事だったのだ。
けど、やっぱり婆ちゃんが言うように、誰かが誰かの命を弄んだ結果であったという部分では、同じだったのかもしれない。
食後に冷蔵庫から新発売の炭酸飲料の小瓶を取り出した。野菜不足を補うのに、母ちゃんから飲むように言われている。
一気に飲み干すと、噯気が一つ吹き出した。
一心地着いて子供部屋に向かう。3LDKの団地住まいではここからそこの話だ。リビングの扉を開けて、一間ほどの廊下を渡る。
聖司は熱気の籠った部屋の窓を開け放って、ふうふう汗をかきながら、二つ並べられた三段のカラーボックスを漁った。
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