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プロローグ
その朝、蔵人は夢見が悪くて遅刻をした。
とはいえ、その日の最初の授業は、現代国語だったので、あまり急ぎもせずに学校へと向かった。
現代国語を担当している教諭は、教室に入ってきたら、生徒の様子も見ずに授業を始めることを知っているからだ。
教諭が黒板に向かっている時に、そっと後ろの扉から入ってしまえば、席は最後尾だからさほどの問題もなく紛れ込める。
そう考えて、そっと教室に入ったのだが。
「先生、周防君が来ました」
蔵人が教室に入り、自分の席に座ったところで、隣の席の学生が立ち上がって、一言告げた。
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