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「俺はこの国を変えるよ!恋愛だって自由でいいんだ。身分とか性別とか……そんなものより、好きな気持ちを大事にして欲しい!」
「そんな夢物語……」
熱弁するリューラを笑ってやる。
性別ももちろんだが、身分もだなんて……爵位も持つ家は家同士で決まった相手と結婚して恋愛なんてしない。
そして、一般市民は一般市民同士でしか恋愛をすることはない。
まぁ、王は他国の姫か場合によっては公爵家の娘と結婚するから俺は家柄だけなら問題ないのだが。
「やる!で、俺はサラと結婚する!」
リューラは力強く宣言した。
この王は何でこうも自信に満ち溢れているのか?
「お前、そもそも俺の気持ち……」
「だから、それまでに俺を好きになってね?」
否定しようとした言葉はまたキスで口を塞がれたことによって発っせられない。
こんな無茶苦茶なこと……止めさせたいのにしっかり捕らえられていて抜け出せない。
「俺が絶対にサラを護るから!」
「誰がてめぇなんて護られるかっ!!必要ねぇわっ!」
銀糸を繋げて切れると同時に微笑むリューラに唾を飛ばして怒鳴りつける。
「いいよ!俺が勝手に護ってるから!」
俺の言葉なんて全く届いていなさそうなリューラにもうため息が出た。
しかも、何度も勝手にキスしやがって!!
こんなのが王の我が国って……大丈夫なんだろうか?
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