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「はぁ?今日だっていっぱい囲まれてただろ!てめぇはあの中から……」
「あんな着飾った香水と化粧に塗れた女なんて興味ない」
舞踏会でのリューラを思い出すが、リューラは遮って言葉を重ねてくる。
「興味ないじゃねぇ!てめぇはあの中から娶って……」
「俺は娶るならサラがいい!」
ちゃんと正そうとしているのに、リューラは全く聞く耳を持たないようだ。
「だから、俺は男だろーが!」
一国の王が男を娶るとか……フザけているとしか思えない。
跡継ぎだって必要なのに何を言うのか。
大問題だろ!
「王だって好きな人と居たいよ」
だから、誰か女を好きになって一緒に居ればいいのに、どうしてそれがわからないのか?
「……何で男は女となんて決められなきゃいけない?男とか女とか関係ないだろ?男だってわかっててもずっと好きなんだよ!」
悲しげな表情で近づいてくるその顔を避けると、リューラは俺の肩に顔を埋めた。
「ダメなの?」
そんな情に訴えかけるように言われたって……
「ダメだろ」
認められるわけがない。
「何でっ!!」
ガバッと顔を上げたリューラにちゃんとわからせるしかないのだが……どうしたら理解するんだろう?
「とりあえず、退け!」
冷静になって話すためにこの押し倒された状態から脱却したいのに、
「ヤダ!このままなかったことにするだろう?」
リューラが受け入れてくれない。
できればなかったことにしてやりたい俺は……どうしたらいい?
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