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楽しそうと顔に書いていて、わかりやすい表情がすごく可愛い。
ポンポンと後部座席を手で叩くと、晴ちゃんが遠慮気味に乗っかってくる。
手は俺を掴もうとはしていない。
晴ちゃんの手を掴んで引っ張って、俺の腰に抱きつかせる。
「わっ」
驚いている晴ちゃん、声だけでも随分可愛らしい。
「ちゃんと腰に掴まってて、落とされても知らないよ」
そう言うと晴ちゃんはギュッと腰に抱きついてくる。
その動作を確認して自転車を漕ぎ出した。
あたっているところの体温が心地良い。
誰かとこんなふうに自転車を二人乗りなんてしたことがない。
ましてや相手は驚くほど純粋で綺麗な女の子。
いろいろな初めてを俺が経験させてあげたい。
それでどんな表情するのか見て、君が何色に染まっていくのか見ていたい。
一緒にいたい理由なんてそれだけで十分だった。
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