Prologue

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深くまでは掘らない事にした。 「とにかく、喧嘩は無ししてください」 俺、この子の事もっと知りたいな。 そんなふうに初めて思わせてくれた女の子。 晴ちゃんは既にどこかに行こうと歩みを進めていた。 その背中に声を掛ける。 「じゃあ悪い事しないように晴ちゃん見ててよ。俺の事」 「は?」 歩みを止めてこちらに振り返ると呆然とした顔をしていた。 「何言って...」 「俺、1-A 椎名 蒼。蒼って呼んで。」 そう自己紹介をする。 「あ、お...くん。」 俺の名前を照れくさそうに呼ぶ晴ちゃんが可愛らしい。 「なぁに、晴ちゃん?」 晴、彼女にピッタリな名前だな。 この子といたら俺の黒いモヤがどこかに行く。 周りに太陽を照らせるようなそんな存在の女の子。
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