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「あー、無理だな。仕事だから」 「……わかった」  大晦日から元日に掛けて初詣に行きたい。  恋人の「大したことない」んだろう希望を即座に却下した俺に、沙耶香(さやか)は返事と同時にふと目を伏せた。 「仕方ないだろ。年末年始は独りもんがどうしても負担増えるんだよ」  俺が重ねた言い訳に、無言で頷く彼女。  ──ああ、こいつともこれで終わんのかな。初めて「結婚」を意識した相手なのにさ。
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